九寨溝:歴史的・景観的重要地区 2022.9.4
登録年:1992年 登録基準:(ⅶ)自然遺産
九寨溝は、びん山山脈のカルスト台地が侵食されてできた3つの渓谷と、地殻変動と氷河の活動でできた湖沼、瀑布からなる景勝地。
チベット族の村落「寨」が9つあることから名付けられる。今では観光地化のため、村は3つしか残っていないそう。
石灰岩の成分が青やオレンジなど色彩豊かな反射を起こし、その美しさから神話や童話の世界に例えられる。
そもそもこんなにも青く見えるのか。それには色んな条件が重なる必要がある。
まず、光の3原色。光は青、緑、赤の3つの色でできている。
そして、3つの色が混ざると白っぽく見える。それが光の色。
それ以外のものの色は、どうして見えるかというと、光がものにあたり反射して見える。光がものに当たると、光の一部が吸収されて、残った色が目に届いている。
コップの水に色がないのは、距離が短いから。
水の性質として赤色の光→緑色の光→青色の光の順に吸収しやすい性質がある。
そのため、水の中の距離が長いと、赤い光が吸収されて緑と青の光が残る。
・湖の底が白い(石灰などの成分が岩などを白くする)
・水深が深い
・水がきれい
などの条件が必要になる。
北海道の湖でも美瑛の「青い池」や弟子屈の「神の子池」などがとても有名であるが、水がきれい、水深がある、成分など条件が揃っていることが多い。
こういう事を知ると、湖が青くてきれいでも、ただきれい!と思うだけではなく、理由を知った上で見るとより魅力的に見えると思う。
光の事で考えると、逆に夕陽はなぜ赤い?と不思議の思う。
水での吸収は赤が早かった。しかし、赤は波長が長い。空では水の中のように吸収される訳ではないから、波長の短い色から空の空気やほこりにはじかれて消えていく。
昼間だと、太陽と地球の距離が短いため、そこまで色がわからないが、朝や夕は太陽と地球の距離が遠くなるため、空気中を通る太陽光の距離が長くなるので、波長の短いものから見えなくなっていく。
色って本当に不思議。