武当山の道教寺院群 2022.3.20


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登録年:1994年 登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅵ)文化遺産

中華人民共和国

 

湖北省武当山(ぶとうさん)は、道教の神である真武大帝が修行した場所であり、漢時代以来の道教の聖地である。全長60kmの参道沿いに、32を数える寺院群が建築。

7世紀の唐から建築が始まり、規模を拡大していったが、元の末期に戦火で焼失、15世紀前半に明の永楽帝によって再建された。

山内最高峰の天柱峰(1612m)の頂には黄金を300kgも使った金殿が作られ、真武大帝が祀られている。

 

道教

中国三大宗教(儒教、仏教、道教)の1つ。

伝説的には、黄帝が開祖、老子がその教義を述べ、後漢の張陵が教祖となって教団が設立されたと語られることが多い。

仏教はインドから伝わり、儒教孔子が始祖。道教は最も古いといわれる。

道教には「元始天尊」という最高神をはじめ多くの神様がいる。その中の1人が「真武大帝」であり、この神様が四神(玄武、朱雀、白虎、青龍)の玄武と同じとされている。

玄武はもともと「玄瞑」という名前で、道教においてはやがて北極星が神格化した「北極紫微大帝(北斗真君」の四大神将のひとつとなる。つまり、方位を司る霊獣の四神からひとり離れ、天上の将軍になる。北極紫微大帝は、最高神の第5の化身とされ、自然界の様々な現象やすべての鬼神を統治する神様であり、玄武は武神となってその支配下におさまる。その後、北斗真君や北極星への崇拝が高まると、玄武の地位は上がり、宋の時代(960~1279年)には真武大帝になって、明の時代(1368~1644年)には「玄天上帝」という位に就き最高位の武神となる。

 

四神といえば昔の漫画である幽遊白書のイメージがあります。

東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武。

「青龍、白虎、朱雀、玄武」←こいつらの存在をどこで初めて知った? | にじログ

青龍、白虎、朱雀、玄武」←こいつらの存在をどこで初めて知った ...

記憶の限りでは、朱雀が一番強い印象で、次が青龍、玄武と白虎は横並びのイメージ。

しかし、実際の四神の中では北に位置する玄武が最も出世していくのですね。

北極星は動かない星として、中国でそうだし、日本であれば、徳川家康江戸城から北に位置する日光に霊廟を作り、その先に北極星が位置するように作ったことが知られています。