ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献
登録年 2016年 登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅵ)文化遺産
アルゼンチン共和国、インド、スイス連邦、ドイツ連邦共和国、日本、フランス共和国、ベルギー王国
- ル・コルビュジエ
- 登録基準
- 構成資産の概要
- 近代建築の五原則
- 構成一覧
- ①1923年 ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸(スイス)
- ②1923年 レマン湖畔の小さな家(スイス9
- ③1924年 ベサックの集合住宅(フランス)
- ④1926年 ギエット邸(ベルギー)
- ⑤1927年 ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅(ドイツ)
- ⑥1928年 サヴォワ邸と庭師小屋(フランス)
- ⑦1930年 イムーブル・クラルテ(スイス)
- ⑧1931年 ポルト・モリト―の集合住宅(フランス)
- ⑨1945年 マルセイユのユニテ・ダビダシオン(フランス)
- ⑩1946年 サン・ディエの工場(フランス)
- ⑪1949年 クルチェット邸(アルゼンチン)
- ⑫1950年 ロンシャンの礼拝堂(フランス)
- ⑬1951年 カップ・マルタンの休暇小屋(フランス)
- ⑭1952年 チャンディガールのキャピトル・コンプレックス(インド)
- ⑮1953年 ラ・トゥーレットの修道院(フランス)
- ⑯1953年 フィルミニの文化の家
- ⑰1955年 国立西洋美術館(日本)
- 歴史
- 過去問にチャレンジ!!
ル・コルビュジエ
ル・コルビュジエ(1887~1965年)スイス、ラ・ショー=ド=フォン生まれ。
モダニズム建築の巨匠といわれ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエとともの「近代建築の三大巨匠」と位置付けられる。
登録基準
登録基準(ⅰ)
ル・コルビュジエの建築作品は、人類の創造的才能を示す傑作であり、建築及び社会における20世紀の根源的な課題に対し、際立った答えを示す。
登録基準(ⅱ)
建築作品は、近代建築運動の誕生と発展に関連して、半世紀以上にわたる地球規模での人的価値の交流という、前例のない事象を示す。
先駆的なやり方で、過去と決別し新しい建築的言語を開発することで、建築に革命を起こす。4大陸において与えた地球規模の影響は、建築史上例のないもの。
登録基準(ⅵ)
近代建築運動という顕著な普遍的価値を有する思想と直接的かつ物質的に関連。ktんち苦的言語を刷新し、建築技術の近代化を促した。
構成資産の概要
7か国に点在する17の構成資産。日本からは上野にある「国立西洋美術館」が含まれる。共通の特徴や背景を持つ構成資産を1つの世界遺産として登録する「シリアル・ノミネーション・サイト」が国境をまたいで存在している場合、「トランス・バウンダリー・サイト」と呼ばれる。また、構成資産が複数の大陸にまたがる「トランス・コンチネンタル・サイト」としては、世界初の登録。
合理的、機能的で明晰なデザイン原理を追求し、20世紀の建築や都市計画に多大な影響を与えた。「近代建築の五原則」や「モデュロール」、「ドミノ・システム」など、現代の近代建築の基礎となる概念を次々と打ち出した。
近代建築の五原則
①ピロティ
フランス語で「杭」を意味する。サヴォワ邸のように建物の1階部分の柱で建物を支えることで、空中に浮いたような軽やかな印象を与える。ピロティは国立西洋美術館でも見ることができる。また、「無限成長美術館」という概念も用いられており、中心から渦巻状に移動しながら展示室を鑑賞するだけでなく、展示作品が増えれば螺旋状に展示室を外側に増設して広げてゆくことが考えられていた。
②水平連続窓
③屋上庭園
④自由な平面
⑤自由なファザード
構成一覧
①1923年 ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸(スイス)
②1923年 レマン湖畔の小さな家(スイス9
③1924年 ベサックの集合住宅(フランス)
④1926年 ギエット邸(ベルギー)
⑤1927年 ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅(ドイツ)
⑥1928年 サヴォワ邸と庭師小屋(フランス)
⑦1930年 イムーブル・クラルテ(スイス)
⑧1931年 ポルト・モリト―の集合住宅(フランス)
⑨1945年 マルセイユのユニテ・ダビダシオン(フランス)
⑩1946年 サン・ディエの工場(フランス)
⑪1949年 クルチェット邸(アルゼンチン)
⑫1950年 ロンシャンの礼拝堂(フランス)
⑬1951年 カップ・マルタンの休暇小屋(フランス)
⑭1952年 チャンディガールのキャピトル・コンプレックス(インド)
⑮1953年 ラ・トゥーレットの修道院(フランス)
⑯1953年 フィルミニの文化の家
⑰1955年 国立西洋美術館(日本)
歴史
ル・コルビュジエは1887年にスイスのラ・ショー・ド・フォンで生まれた。
1917年にフランスのパリに拠点を移し、数々の建築作品を造り上げた。
ル・コルビュジエのアトリエには世界中から建築を志す多くの者が訪れ、日本からは前川國男、坂倉準三、吉阪隆正の3人が、「日本の3大弟子」として日本の近代建築に大きな功績を残した。
国立西洋美術館は実業家であった松方幸次郎が20世紀初頭にヨーロッパで買い付けた美術作品群、松方コレクションを展示するために1959年に建てられた。
ル・コルビュジエが基本設計を行い、3人の弟子が実施設計を担当した。
過去問にチャレンジ!!
2017年7月1級問題
【問69】
ル・コルビュジエの建築作品に関し、ル・コルビュジエが考案した近代建築の五原則に含まれないものはどれか
①ピロティ ②人間工学に基づく寸法(モデュロール)
③屋上庭園 ④自由な正面(ファザード)
解答 正解は②
【問70】
同じくル・コルビュジエの建築作品に含まれる国立西洋美術館を建設する契機となった出来事として、正しいものはどれか
①松方コレクションの返還 ②「考える人」のオークション落札
③ル・コルビュジエの長期日本滞在 ④GHQによる芸術・文化関連の予算拡大
解答 正解は①
2016年7月1級問題
【問10】
今年(2016年)の世界遺産委員会で審議される予定のル・コルビュジエの建築作品に関し、構成資産保有国に含まれる国として、正しくないものはどれか
①イタリア共和国 ②フランス共和国 ③スイス連邦 ④ベルギー王国
解答 正解は①
【問11】
推薦書において、申請している登録基準として正しいものはどれか
①(ⅰ)と(ⅳ) ②(ⅱ)と(ⅵ) ③(ⅲ)と(Ⅴ) ④(ⅴ)と(ⅵ)
解答 正解は②
2016年12月1級問題
【問17】
トランスバウンダリー・サイトとして2016年に登録されたル・コルビュジエの建築作品の説明として、正しくないものはどれか
①スイス連邦生まれの建築家ル・コルビュジエの作品群を登録したものである
②フランス共和国やオランダ王国など、8カ国に点在する17資産で構成される
③登録基準は(ⅰ)(ⅱ)(ⅵ)が認められた
④構成資産が大陸をまたいで点在する遺産としては世界初の登録である
解答 正解は②