奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
登録年 2021年 登録基準(ⅹ)自然遺産
鹿児島県、沖縄県
遺産概要
登録された4地域の面積42,698haの陸域は、日本の国土面積0.5%に満たないにも関わらず、日本の動植物種数に対して極めて大きな割合を占める種が生息・生育している。維管束植物は1,819種、陸生哺乳類21種、鳥類394種、陸生爬虫類36種、両生類21種が生息・生育している。陸域生物多様性ホットスポット「ジャパン」の陸生脊椎動物の約57%が4地域に生息し、日本固有の脊椎動物の44%、日本の脊椎動物における絶滅危惧種の36%が含まれる。
奄美大島と徳之島のアマミノクロウサギは1属1種で近縁種は存在しない。沖縄島北部のヤンバルクイナは、絶滅しやすいことが知られている無飛翔性クイナ類の1種である。イリオモテヤマネコはヤマネコの生息する世界最小の島、西表島にだけ生息する。
登録範囲
東麓決定!! 世界自然遺産|奄美、徳之島、沖縄本島北部、西表 | 月桃と沖縄について語るブログ
珍しい生物
アマミノクロウサギ
奄美大島と徳之島にのみ生息するアマミノクロウサギは、現存するウサギの中で最も原始的な姿を残した生きた化石。奄美群島がユーラシア大陸と陸続きだった約1,000万年前、アマミノクロウサギの祖先は大陸に広くすんでいたとされる。地殻変動で大陸と切り離されたのが200万年前。島に取り残され天敵から免れ、太古の姿のままとなる。
ヤンバルクイナ
沖縄島北部の国頭村、大宜見村、東村を合わせた「やんばる」と呼ばれる地域にのみ生息している。やんばるの森は、シイやカシなどの常緑広葉樹林が広がっている。
ヤンバルクイナの翼は体重に比べて面積が小さく、翼を動かす筋肉も発達していないので、ほとんど飛ぶことはできない。土のなかの小動物をほじくり返して食べるための太くて大きいくちばし。胸の筋肉より足の筋肉が発達しているので、茂みのなかを縦横無尽に走ることができる。
イリオモテヤマネコ
西表島全域に生息しているが、主な生息地は山麓から海岸にかけての低地部分。面積の狭い島に、イリオモテヤマネコのような肉食獣が住んでいるのは世界的にみても稀なこと。世界の野生小型ネコの仲間は、ネズミやウサギなどの小型哺乳類を食べている。しかし、西表島のような小さな島の資源は限られている。そこで昆虫や鳥類などさまざまな動物を食べる。このように様々な生き物を利用するのは世界中でもイリオモテヤマネコが持つ特徴。